社会保険の給付の種類と内容
健康保険の給付
健康保険の給付とは、健康保険に加入する被保険者やご家族(被扶養者)が、業務外の病気やケガ、出産、死亡といった事態に見舞われた際に、加入している保険者(協会けんぽ又は健康保険組合)から提供される医療サービスや給付金のことをいいます。
健康保険の給付には、病院等での現物給付(医療サービス)と現金が支給される現金給付があります。
現物給付
医療機関の窓口でマイナ保険証または資格確認書を提示することにより、医療サービスを一定割合(1~3割)の自己負担で受けることができます。
| 給付名 | 内 容 |
|---|---|
| 療養の給付 | 被保険者または被扶養者が、病気やケガをした際に、診察、薬、手術、入院などの医療サービスを「現物給付」(自己負担額1~3割)として受けることができます。 |
| 入院時食事療養費 | 入院中に掛かる食事代のうち、患者負担分を除いた差額が健康保険から支給されます。 |
| 入院時生活療養費 | 65歳以上の方が入院した際に掛かる生活療養費(食事代・光熱水費等)のうち、患者負担分を除いた差額が健康保険から支給されます。 |
| 保険外併用療養費 | 通常、保険外の診療を一つでも受けると、本来保険がきくはずの治療まで含めて全額自己負担(混合診療の禁止)となりますが、この制度の対象となるもの(評価療養、選定療養など)であれば、保険診療の部分については保険給付を受けることができます。 |
| 訪問看護療養費 | 医師が在宅治療の必要性を認めた場合、訪問看護のサービスを「現物給付」(自己負担額1~3割)として受けることができます。 |
現金給付(支給申請が必要な給付)
各給付の要件に該当した場合は、保険者(協会けんぽまたは健康保険組合)に支給申請を行うことにより、健康保険の給付を受けることができます。
| 給付名 | 内 容 |
|---|---|
| 療養費 | やむを得ない事情で保険診療が受けられず、医療費を立替えた場合に、後日協会けんぽ(または健康保険組合)へ申請することにより、自己負担3割(1~2割)分を差引いた医療費7割(8~9割)分の払い戻しを受けることができます。 |
| 高額療養費 | 医療機関などで支払った医療費の自己負担額が、自己負担限度額(1か月に被保険者等が窓口で負担する医療費の上限額)を超えた場合は、被保険者が申請をすることにより、その超えた分の払い戻しを受けることができます。 |
| 高額介護合算療養費 | 1年間(毎年8月〜翌年7月)に支払った医療保険と介護保険の自己負担額の合計が、年間の自己負担限度額(世帯の所得状況に応じた上限額)を超えた場合は、被保険者が申請をすることにより、その超えた分の払い戻しを受けることができます。 |
| 移送費 | 病気やけがで移動が困難な患者が、医師の指示で移送された場合は、移送に掛かった費用が健康保険から支給されます。 |
| 傷病手当金 | 私傷病で休業した従業員とその家族の生活を保障する給付制度で、健康保険の被保険者である従業員が業務外の傷病により4日以上仕事を休み、その間給与を受けられない場合に支給されます。 |
| 出産育児一時金 | 出産に関する費用の負担軽減を目的とした給付制度で、健康保険の被保険者またはその被扶養者が出産をした場合に、1児につき50万円(場合によっては48.8万円)が一時金として支給されます。 |
| 出産手当金 | 産休を取得した女性従業員の所得補償制度で、健康保険の被保険者である従業員が出産のため仕事を休み、その間給与を受けられないときに支給されます。 |
| 埋葬料(費) | 葬儀費用の経済的負担を軽減することを目的とした給付金で、健康保険の被保険者または被扶養者が、業務外の事由で亡くなられたときに支給されます。 |
労災保険の給付
労災保険の給付とは、業務災害や通勤災害を原因とする従業員のケガ、病気、障害、死亡に対して、国が補償を行う医療サービスや給付のことをいいます。特に加入手続きなどは必要なく、すべての労働者が労災保険の対象となります。
| 給付名 | 内 容 |
|---|---|
| 療養(補償)給付 | 従業員が業務中または通勤中に、ケガをした場合や病気にかかった場合に、原則自己負担なしで治療等を受けることができます。 |
| 休業(補償)給付 | 労災が原因で休業した従業員の所得補償制度で、従業員が業務中または通勤中のケガや病気で仕事を4日以上休み、その間給与を受けていない場合に、労災保険から支給されます。 |
| 傷病(補償)年金 | 業務中または通勤中のケガや病気で療養している労働者が、療養開始から1年6ヶ月を経過しても治癒せず、かつ傷病等級に該当する一定の障害が残っている場合に支給されます。 |
| 障害(補償)等給付 | 労災で身体に障害が残った被災労働者を経済的に支援するための労災保険制度で、業務中または通勤中のケガや病気が原因で、従業員の身体に一定の障害が残った場合に支給されます。 |
| 介護(補償)等給付 | 障害(補償)年金または傷病(補償)年金を受給している従業員が、一定の障害により常時または随時介護を必要とし、実際に介護を受けている場合に支給されます。 |
| 遺族(補償)等給付 | 労災により亡くなられた従業員のご遺族を経済的に支援するための労災保険制度で、従業員が業務災害または通勤災害が原因で亡くなられた場合に、一定の要件に該当するご遺族に対して支給されます。 |
| 葬祭料等(葬祭給付) | 葬儀費用を補填することを目的とした労災保険の給付金制度で、従業員が業務災害または通勤災害が原因で亡くなられた場合に、葬祭を行った遺族などに対して支給されます。 |
| 二次健康診断等給付 | 職場の定期健康診断等で異常の所見が認められた場合に受けることができる健康診断のことで、脳血管・心臓の状態を把握するための二次健康診断及び脳・心臓疾患の発症の予防を図るための特定保健指導を1年度内に1回、無料で受診することができます。 |
雇用保険の給付
雇用保険は、求職者や労働者をサポートする保険制度で、目的別に求職者給付、就職促進給付、教育訓練給付、雇用継続給付があります。
求職者給付
求職者給付は、被保険者が離職し失業状態にある場合に、失業者の生活の安定を図るとともに、求職活動を容易にすることを目的として支給される給付です。
被保険者の種類に応じて「一般求職者給付(基本手当)」「高年齢求職者給付」「短期雇用特例被保険者の求職者給付(特例一時金)」「日雇労働求職者給付金」の4種類があります。
| 給付名 | 内 容 |
|---|---|
| 一般求職者給付(基本手当) | 一般被保険者が離職し、労働の意思及び能力を有するにもかかわらず職業に就くことができない状態にある場合で、離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算して12か月以上(特定受給資格者又は特定理由離職者については、離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上ある場合でも可。)あったときに、所定の手続きを経ることで基本手当が支給されます。 |
| 高年齢求職者給付 | 高年齢被保険者が離職し、労働の意思及び能力を有するにもかかわらず職業に就くことのできない状態にある場合で、離職の日以前1年間のうちに被保険者期間が6か月以上ある場合に、基本手当に代えて、高年齢求職者給付金として一時金が支給されます。 |
| 短期雇用特例被保険者の求職者給付(特例一時金) | 短期雇用特例被保険者が離職し、労働の意思及び能力を有するにもかかわらず職業に就くことができない状態にある場合で、離職の日以前1年間に被保険者期間6か月以上ある場合に、基本手当の30日分(当分の間、40日分)に相当する額が特例一時金として支給されます。 |
| 日雇労働求職者給付金 | 日雇労働被保険者が失業し、失業の日の属する月前2か月間に26枚以上の印紙が貼付されている場合に、ハローワークに出頭して求職申込みをしたうえ、その失業している日について認定を受けたときは、失業の認定が行われた日数分について日雇労働求職者給付金が支給されます。 |
就職促進給付
就職促進給付は、失業者が再就職するのを援助、促進することを主目的とする給付です。
再就職の状況に応じて、「再就職手当」「就業促進定着手当」「常用就職支度手当」の3種類があります。 その他、「移転費」「広域求職活動費」「短期訓練受講費」「求職活動関係役務利用費」などがあります。
| 給付名 | 内 容 |
|---|---|
| 再就職手当 | 基本手当の受給資格者が、所定給付日数の3分の1以上を残して、安定した職業(1年を超えて引き続き雇用されることが確実と認められること。)に就いた場合に、一定の要件に基づき、基本手当日額(ただし、上限あり)×所定給付日数の支給残日数×60%または70%が、一時金として支給されます。 |
| 就業促進定着手当 | 再就職手当の支給を受けた方で、再就職手当の支給に係る再就職先に6か月以上雇用され、再就職先での6か月の賃金が、離職前の賃金よりも低い場合に、基本手当の支給残日数の40%(再就職手当の給付率が70%の場合は、30%)を上限として、低下した賃金の6か月分が支給されます。 |
| 常用就職支度手当 | 障害のある方、45歳以上の方で雇用対策法等に基づく再就職援助計画の対象者など、就職困難な受給資格者が、ハローワークまたは民間職業紹介事業者の紹介により、安定した職業に就いた場合に、一定の要件に基づき、基本手当日額(上限あり)×36日(支給残日数が90日未満の場合は、支給残日数もしくは45日のいずれか多い日数×40%)が支給されます。 |
| 移転費 | 受給資格者等が、ハローワークの紹介した職業につくため等の場合に、その住所または居所を変更する場合であって、ハローワーク(公共職業安定所長)が必要と認めたときに支給されます。 |
| 広域求職活動費 | 受給資格者等が、ハローワークの紹介により広範囲の地域にわたる求職活動をする場合であって、ハローワーク(公共職業安定所長)が必要と認めたときに支給されます。 |
教育訓練給付
教育訓練給付は、働く人の主体的な能力開発の取組みを支援し、雇用の安定と再就職の促進を目的とする給付で、厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した際に、教育訓練経費の一部が支給されます。
| 給付名 | 内 容 |
|---|---|
| 一般教育訓練受講に係る教育訓練給付金 | 一定の要件を満たす雇用保険の被保険者(在職者)、または被保険者であった方(離職者)が、厚生労働大臣の指定する一般教育訓練を受講し、修了した場合に、教育訓練施設に支払った受講料等の一定の割合に相当する額が支給されます。 |
| 専門実践教育訓練受講に係る教育訓練給付金 | 一定の要件を満たす雇用保険の被保険者(在職者)、または被保険者であった方(離職者)が、厚生労働大臣の指定した専門実践教育訓練を受講している場合に、教育訓練施設に支払った受講料等の一定の割合に相当する額が支給されます。 |
| 教育訓練支援給付金 | 一定の要件を満たす専門実践教育訓練受講に係る教育訓練給付金の支給を受けている方(受講開始時に45歳未満である方)が、当該専門実践教育訓練(通信制・夜間制の訓練を除く)を受けている日のうち失業している日について支給されます。 |
雇用継続給付
雇用継続給付とは、60歳以降の賃金低下や、育児・介護休業によって従業員が離職することを防ぎ、雇用を継続できるように支援する制度のことをいいます。
| 給付名 | 内 容 |
|---|---|
| 高年齢雇用継続給付 | 65歳までの雇用の継続を援助・促進することを目的とした給付制度で、雇用保険の被保険者である従業員が、60歳時点に比べて給与が低下し、一定の要件を満たした場合に支給されます。 |
| 育児休業給付 | 雇用保険の被保険者である従業員が、1歳(最長で2歳)未満の子を養育するため育児休業を取得し、一定の要件を満たした場合に支給されます。 |
| 出生時育児休業給付金 | 雇用保険の被保険者である従業員が、子の出生後8週間以内に最大4週間取得できる「産後パパ育休(出生時育児休業)」を取得し、一定の要件を満たした場合に支給されます。 |
| 出生後休業支援給付金 | 共働き・共育てをする親に対する経済的支援を目的とした雇用保険の給付金制度で、子の出生後の一定期間に「夫婦ともに」育児休業を取得し、一定の要件を満たした場合に、従来の育児休業給付に上乗せして支給されます。 |
| 育児時短就業給付金 | 仕事と育児の両立支援を目的とした雇用保険の給付金制度で、2歳に満たない子を養育するために時短勤務を行い、育児時短就業前と比較して賃金が低下するなどの一定の要件を満たした場合に支給されます。 |
| 介護休業給付 | 雇用保険の被保険者である従業員が、家族を介護するため介護休業を取得し、一定の要件を満たした場合に支給されます。 |
厚生年金保険の年金等
老齢年金
老齢年金とは、老後の所得補償を目的とした年金のことで、公的年金制度(国民年金・厚生年金)に加入していた人が受給資格を満たした場合に、原則65歳以降に支給されます。
| 年金名 | 内 容 |
|---|---|
| 特別支給の老齢厚生年金 | 厚生年金保険に1年以上加入していた人が、国民年金の老齢基礎年金を受けられる受給資格期間があるときに、 生年月日等に応じて定められている支給開始年齢から(60歳から64歳)、65歳になるまで支給されます。 |
| 老齢基礎年金 | 老齢基礎年金は、保険料納付済期間と保険料免除期間などを合算した受給資格期間が10年以上ある場合に、65歳から受け取ることができます。 |
| 老齢厚生年金 | 老齢厚生年金は、老齢基礎年金を受け取れる方に厚生年金の加入期間がある場合に、老齢基礎年金に上乗せして65歳から受け取ることができます。厚生年金に加入していた時の報酬額や加入期間等に応じて年金額が計算されます。 |
障害年金
障害年金とは、病気やケガによって生活や仕事などが制限されるようになった人に対し、経済的な支援を行い、生活保障を図ることを目的とした年金です。公的年金制度(国民年金・厚生年金)に加入中の病気やケガで障害が残り、一定の要件を満たした場合に支給されます。
| 年金名 | 内 容 |
|---|---|
| 障害基礎年金 | 国民年金加入期間中の病気やケガで障害が残り、初診日要件、障害認定要件、保険料納付要件を満たした場合に支給されます。なお、障害基礎年金は障害の程度に応じ、1級と2級があります。 |
| 障害厚生年金・障害手当金 | 厚生年金保険加入期間中の病気やケガで障害が残り、初診日要件、障害認定要件、保険料納付要件を満たした場合に、障害基礎年金に上乗せして支給されます。なお、障害厚生年金は障害の程度に応じ、1~3級および障害手当金があります。 |
遺族年金
遺族年金とは、国民年金または厚生年金保険の被保険者または被保険者であった方が、亡くなったときに、その方によって生計を維持されていた遺族が受けることができる年金です。
| 年金名 | 内 容 |
|---|---|
| 遺族基礎年金 | 国民年金の被保険者等が亡くなり、その人によって生計を維持されていた遺族(「子のある配偶者」または「子」)がいる場合に支給されます。ただし、亡くなられた方が保険料納付要件を満たしている場合に限ります。 |
| 遺族厚生年金 | 厚生年金保険の被保険者等が亡くなり、その人によって生計を維持されていた遺族(配偶者または子、父母、孫、祖父母)がいる場合に、亡くなった人が加入していた厚生年金の「報酬比例部分」の4分の3の額が支給されます。 |
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