【令和7年4月からの法改正】育児・介護休業法(介護関連)

【令和7年4月からの法改正】
育児・介護休業法(介護関連)

介護関連の法改正

令和7年(2025年)における介護関連の法改正は、以下の5点になります。

改正内容施行時期
1.介護休暇の見直し令和7年4月1日
2.介護両立支援制度等の個別周知・意向確認の義務付け
3.介護両立支援制度等の早期の情報提供の義務付け
4.介護両立支援制度等を利用しやすい雇用環境整備の義務付け
5.介護期のテレワークの努力義務化

1.介護休暇の見直し(令和7年4月1日~)

介護休暇について、令和7年(2025年)4月1日より労使協定の締結により除外できる労働者の要件が見直されます。 具体的には、現行の要件である「継続して雇用された期間が6カ月未満の労働者」の除外要件が撤廃されます。したがいまして、改正後は労働者が入社後すぐに制度利用を希望する場合でも、介護休暇を取得させる必要があります。

改正前改正後
労使協定の締結により除外できる
労働者の要件
(1)継続して雇用された期間が6か月未満
(2)週の所定労働日数が2日以下
(3)業務の性質または業務の実施に照らして、厚生労働省で定める1日未満の単位で休暇することが困難と認められる業務に従事している
(2)および(3)のみ
【削除】(1)は撤廃

2.介護両立支援制度等の個別周知・意向確認の義務付け(令和7年4月1日~)

令和7年(2025年)4月1日より、対象家族の介護について労働者が事業主へ申し出たときは、介護休業に関する制度および介護に関する両立支援制度等について個別に知らせるとともに、介護休業取得等の意向を確認する措置が義務付けられます。

周知事項①介護休業に関する制度、介護両立支援制度等
②介護休業・介護両立支援制度等の申出先(例:人事部など)
③介護休業給付金に関すること
周知方法①面談 ②書面交付 ③FAX ④電子メール等 のいずれか
※①はオンライン面談も可能。③④は労働者が希望した場合のみ。

なお、この申出をしたことを理由として、申出をした労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならないこととされます。

3.介護両立支援制度等の早期の情報提供の義務付け(令和7年4月1日~)

令和7年(2025年)4月1日より、労働者が40歳に達した日の属する年度その他省令で定める期間の始期に達したときは、その労働者に対して、 介護休業に関する制度および介護に関する両立支援制度等について知らせることが義務付けられます。

情報提供期間①労働者が40歳に達する日(誕生日前日)の属する年度(1年間)
②労働者が40歳に達した日の翌日(誕生日)から1年間
情報提供事項①介護休業に関する制度、介護両立支援制度等
②介護休業・介護両立支援制度等の申出先(例:人事部など)
③介護休業給付金に関すること
※併せて介護保険制度について周知することが望ましい。
情報提供の方法①面談 ②書面交付 ③FAX ④電子メール等 のいずれか
※①はオンライン面談も可能。

4.介護両立支援制度等を利用しやすい雇用環境整備の義務付け(令和7年4月1日~)

令和7年(2025年)4月1日より、事業主は介護休業および介護両立支援制度等※の申出が円滑に行われるようにするため、以下のいずれかの措置を講じなければいけないことになりました。

雇用環境の整備①介護休業・介護両立支援制度等に関する研修の実施
②介護休業・介護両立支援制度等に関する相談体制の整備(相談窓口設置)
③自社の労働者の介護休業取得・介護両立支援制度等利用の事例の収集・提供
④自社の労働者へ介護休業・介護両立支援制度等の利用促進に関する方針の周知

※介護両立支援制度等とは、介護休暇に関する制度、所定外労働の制限に関する制度、時間外労働の制限に関する制度、深夜業の制限に関する制度、介護のための所定労働時間の短縮等の措置のことを指します。

5.介護のためのテレワークの努力義務化(令和7年4月1日~)

現行法では、事業主は家族を介護する労働者に関して、介護休業もしくは介護休暇に関する制度または介護のための所定労働時間の短縮等の措置に準じて、介護を必要とする期間、回数等に配慮した必要な措置を講ずるように努めなければならないこととされています。令和7年(2025年)4月1日からは、それに加えて対象家族を介護する労働者が利用できる在宅勤務等の措置を講じることが努力義務とされます。

【参考資料】
・育児・介護休業法 改正ポイントのご案内(厚生労働省 パンフレット)
・そのときのために、知っておこう。介護休業制度(厚生労働省 特設サイト)