雇用保険(就職促進給付)の種類と内容

雇用保険(就職促進給付)の種類

就職促進給付は、失業者が再就職するのを援助、促進することを主目的とする給付です。

再就職の状況に応じて、「再就職手当」「就業促進定着手当」「常用就職支度手当」の3種類があります。 その他、「移転費」「広域求職活動費」「短期訓練受講費」「求職活動関係役務利用費」などがあります。

状 況給付名
基本手当の受給資格者が、所定給付日数の
3分の1以上を残して、安定した職業に就いたとき
再就職手当
再就職手当の支給を受けた方で、再就職先に6か月以上雇用され、
再就職先での6か月の賃金が、離職前の賃金よりも低いとき
就業促進定着手当
障害のある方など就職困難な受給資格者が、ハローワークまたは
民間職業紹介事業者の紹介により、安定した職業に就いたとき
常用就職支度手当
受給資格者等が、ハローワーク等の紹介した職業に就くため、
もしくは訓練を受講するために、住所を変更するとき
移転費
受給資格者等が、ハローワーク等の紹介した
遠隔地の事業所に求職活動をしたとき
広域求職活動費
受給資格者等が、ハローワークの職業指導により
再就職のために必要な教育訓練(1か月未満)を受けたとき
短期訓練受講費
受給資格者等が、求職活動や教育訓練を
受講するため、保育等サービスを利用したとき
求職活動関係役務利用費

雇用保険(就職促進給付)の内容

1.再就職手当

基本手当の受給資格者が、所定給付日数の3分の1以上を残して、安定した職業(1年を超えて引き続き雇用されることが確実と認められること。)に就いた場合に、一定の要件に基づき、基本手当日額(ただし、上限あり)×所定給付日数の支給残日数×60%または70%が、一時金として支給されます。

【再就職手当の支給要件】
  1. 受給手続き後、7日間の待期期間満了後に就職、又は事業を開始したこと。
  2. 就職日の前日までの失業の認定を受けた上で、基本手当の支給残日数が、所定給付日数の3分の1以上あること
  3. 離職した前の事業主に再び就職したものでないこと
  4. 受給資格に係る離職理由により給付制限(基本手当が支給されない期間)がある方は、求職申込みをしてから、待期期間満了後1か月の期間内は、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介によって就職したものであること
  5. 1年を超えて勤務することが確実であること
  6. 原則として、雇用保険の被保険者になっていること
  7. 過去3年以内の就職について、再就職手当又は常用就職支度手当の支給を受けたことがないこと
  8. 受給資格決定(求職申込み)前から採用が内定していた事業主に雇用されたものでないこと
再就職手当の支給額

再就職手当の支給額は、「基本手当日額」に「基本手当の支給残日数」と「支給残日数の割合に応じて定められる支給率」を乗じて算出します。

所定給付日数に対する基本手当の残日数再就職手当の支給額
3分の1以上基本手当日額 × 基本手当の支給残日数 × 60%
3分の2以上基本手当日額 × 基本手当の支給残日数 × 70%

2.就業促進定着手当

再就職手当の支給を受けた方で、再就職手当の支給に係る再就職先に6か月以上雇用され、再就職先での6か月の賃金が、離職前の賃金よりも低い場合に、基本手当の支給残日数の20%を上限として、低下した賃金の6か月分が支給されます。

【就業促進定着手当の支給要件】
  1. 再就職手当の支給を受けていること
  2. 再就職手当の支給を受けた再就職の日から、同じ事業主に6か月以上、雇用保険の被保険者として雇用されていること
  3. 所定の算出方法による再就職後6か月間の賃金の1日分の額が、離職前の賃金日額を下回ること
就業促進定着手当の支給額

就業促進定着手当の支給額は、「離職前の賃金日額」から「再就職後6か月間の賃金の1日分の額」を差し引き、その額に「再就職後6か月間の賃金の支払基礎となった日数」を掛けて算出します。

 支給額 (離職前の賃金日額-再就職後6か月間の賃金の1日分の額)
 × 再就職後6か月間の賃金の支払基礎となった日数
 上限額 基本手当日額 × 支給残日数 × 20%
再就職後6か月間の賃金の1日分の額の求め方
給与形態計算式
月給再就職後6か月間の賃金の合計額 ÷ 180
日給・時給次の①、②のうち、金額の高い方
①再就職後6か月間の賃金の合計額 ÷ 180
②(再就職後6か月間の賃金の合計額 ÷ 賃金支払いの基礎となった日数) × 70%

3.常用就職支度手当

障害のある方、45歳以上の方で雇用対策法等に基づく再就職援助計画の対象者など、就職困難な受給資格者が、ハローワークまたは民間職業紹介事業者の紹介により、安定した職業に就いた場合に、一定の要件に基づき、基本手当日額(上限あり)×36日(支給残日数が90日未満の場合は、支給残日数もしくは45日のいずれか多い日数×40%)が支給されます。

【常用就職支度手当の支給要件】
  1. 基本手当の受給資格がある方(基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1未満である方に限ります。)、高年齢受給資格者、特例受給資格者又は日雇受給資格者のうち、次のいずれかに該当する方
    • 障害者(身体障害者、知的障害者、精神障害者)
    • 就職日において45歳以上である受給資格者
    • 季節的に雇用されていた特例一時金の受給資格者(特例受給資格者)であって、通年雇用奨励金の支給対象となる事業主に通年雇用されるもの
    • 日雇労働求職者給付金の受給資格者(日雇受給資格者)のうち、日雇労働被保険者として就労することを常態とする方であって、就職日において45歳以上である方
    • その他就職が困難な方
  2. ハローワークまたは民間職業紹介事業者の紹介により、1年以上引き続いて雇用されることが確実であると認められる職業に就いたこと。
  3. 離職前の事業主に再び雇用されたものでないこと
  4. 待期期間又は離職理由、紹介拒否等による給付制限期間が経過した後職業に就いたこと
  5. 常用就職支度金を支給することがその者の職業の安定に資すると認められること
    ただし、就職日前3年以内の就職について再就職手当又は常用就職支度金の支給を受けたことがある場合は、常用就職支度金は支給されません
常用就職支度手当の支給額
支給残日数に相当する日数常用就職支度手当の支給額
90日以上基本手当日額 × 90日 × 40%
45日以上90日未満基本手当日額 × 支給残日数に相当する数 × 40%
45日未満基本手当日額 × 45日 × 40%

4.移転費

受給資格者等が、ハローワーク、特定地方公共団体または職業紹介事業者の紹介した職業につくため等の場合に、その住所または居所を変更する場合であって、ハローワーク(公共職業安定所長)が必要と認めたときに支給されます。

【移転費の支給要件】
  1. 雇用保険の受給資格者等であること
  2. 待期の期間が経過した後に就職し、または公共職業訓練等を受けることとなったこと
  3. ハローワーク、特定地方公共団体または職業紹介事業者が紹介した職業に就くため、またはハローワークの所長の指示した公共職業訓練等を受けるために、住所・居所を変更すること
  4. 事業所または訓練施設が、次のいずれかに該当するため、ハローワークが住所・居所の変更が必要であると認めること
    • 通勤(所)時間が往復4時間以上であること
    • 交通機関の始(終)発の便が悪く、通勤(所)に著しい障害がある場合
    • 移転先の事業所・訓練施設が、特殊性や事業主の要求によって移転を余儀なくされる場合
  5. その就職について、就職準備金その他移転に要する費用が就職先から支給されないこと、又は就職先からの支給額が移転のために実際に支払った費用に満たないこと
移転費の支給額

移転費には、交通費(鉄道賃、船賃、航空賃、車賃)、移転料、着後手当の3種類があります。

1.交通費(鉄道賃、船賃、航空賃、車賃)

旧住居地から新住居地までの順路について、通常の経路および方法により計算した、本人および随伴する親族の運賃等の額が支給されます。

2.移転料

交通費計算の基礎となる鉄道等の距離および親族の随伴に応じて、定められた金額が支給されます。

距離単身親族随伴
50km未満46,500円93,000円
50km以上100km未満53,500円107,000円
100km以上300km未満66,000円132,000円
300km以上500km未満81,500円163,000円
500km以上1,000km未満108,000円216,000円
1,000km以上1,500km未満113,500円227,000円
1,500km以上2,000km未満121,500円243,000円
2,000km以上141,000円282,000円
3.着後手当

移転後の手当として、着後手当が支給されます。この着後手当は、親族の随伴の有無、移転の距離により、下記の額が支給されます。

親族随伴の有無移転距離支給額
親族を随伴する場合100km未満76,000円
100km以上95,000円
親族を随伴しない場合100km未満38,000円
100km以上47,500円

5.広域求職活動費

受給資格者等が、ハローワークの紹介により遠隔地にある求人事業所を訪問し、求人者と面接等をした場合に、その際に掛かった交通費及び宿泊料が支給されます。

【広域求職活動費の支給要件】
  1. 雇用保険の受給資格者であること
  2. 待期の期間が経過した後に広域求職活動を開始したこと
  3. ハローワークに紹介された求人が、その受給資格者の方に適当と認められる管轄区域外に所在する事業所のもので、その事業所の常用求人であること
  4. 住居所管轄のハローワークから、訪問する求人事業所の所在地を管轄するハローワークの間の距離(往復)が、交通費計算の基礎となる鉄道等の距離で200キロメートル以上あること
  5. 広域求職活動に要する費用が、訪問先の事業所の事業主から支給されないこと、又はその支給額が広域求職活動費の額に満たないこと
広域求職活動費の支給額

広域求職活動費には、交通費(鉄道賃、船賃、航空賃、車賃)と宿泊費の2種類があります。

1.交通費(鉄道賃、船賃、航空賃、車賃)

雇用保険の受給手続を行っているハローワークの所在地から、訪問する求人事業所の所在地を管轄するハローワークの所在地までの順路について、通常の経路および方法により計算した運賃等の額が支給されます。

2.宿泊費

交通費計算の基礎となる鉄道等の距離が400キロメートル以上ある場合に支給され、その距離と、訪問する求人事業所の数に応じて、最大6泊分まで支給されます。

区分宿泊費の支給額
地域手当の級地が4級地以上の地域1泊8,700円
上記以外の地域1泊7,800円
距離訪問2か所以内訪問3か所以上
400km以上800km未満1泊分2泊分
800km以上1,200km未満2泊分3泊分
1,200km以上1,600km未満3泊分4泊分
1,600km以上2,000km未満4泊分5泊分
2,000km以上5泊分6泊分

6.短期訓練受講費

受給資格者等が、ハローワークの職業指導により再就職のために必要な職業に関する教育訓練(1か月未満)を受け、当該訓練を修了した場合に、本人が訓練受講のために支払った教育訓練経費の2割(上限10万円)が支給されます。

【短期訓練受講費の支給要件】
  1. 教育訓練を受講する前に、その訓練を受けるためのハローワークの職業指導(以下「受講指導」と言います。)を受けていること。
  2. 受講指導を受ける日において、受給資格者等(基本手当の受給資格者、高年齢受給資格者、特例受給資格者、日雇受給資格者)であること。
  3. 待期の期間が経過した後に教育訓練の受講を開始したこと
【支給対象となる教育訓練】
  1. 一般教育訓練給付の対象講座を実施している教育訓練実施者が実施していること
  2. 公的職業資格の取得を目標とする1か月未満の教育訓練であること
  3. 一般教育訓練給付の対象講座として指定されていないこと
  4. 教育訓練の開始時期、内容、対象者、目標および修了基準が明確であり、教育訓練の実施者が、その訓練について、適切に受講されたことを確認し、修了させるものであること
短期訓練受講費の支給額
短期訓練受講費の支給額支払った教育訓練経費(入学料と受講料)の2割(上限10万円、下限なし)

7.求職活動関係役務利用費

受給資格者等が求人者との面接等をしたり、教育訓練を受講するため、保育等サービスを利用した場合に、本人が負担した費用の一部(上限額あり)が支給されます。

【求職活動関係役務利用費の支給要件】
  1. 保育等サービスを利用した日において受給資格者等(基本手当の受給資格者、高年齢受給資格者、特例受給資格者、日雇受給資格者)であること
  2. 待期の期間が経過した後に保育等サービスを利用したこと
【支給対象となる面接等、教育訓練】
  1. 求人者との面接等
    求人者との面接等とは、求人者との面接のほか、筆記試験の受験、ハローワーク、許可・届出のある職業紹介事業者等が行う職業相談、職業紹介等、公的機関等が行う求職活動に関する指導、個別相談が可能な企業説明会等、失業認定における求職活動に該当する活動であること
  2. 教育訓練の受講
    教育訓練の受講とは、ハローワークの指示・推薦により公共職業訓練等を受講する場合、就職支援計画に基づき求職者支援訓練を受講する場合、ハローワークの指導により各種養成施設に入校する場合、教育訓練給付の対象訓練及び短期訓練受講費の対象訓練等を受講している場合であること
【支給対象となる子(年齢制限なし)】
  1. 法律上の親子関係に基づく子(実子の他養子も含む。)
  2. 特別養子縁組を成立させるために監護を受けている方
  3. 養子縁組里親に委託されている方、養育里親に委託されている方
求職活動関係役務利用費の支給額

保育等サービス利用のために本人が負担した費用(保育等サービス利用費)の80%が支給(1日あたりの支給上限額6,400円)されます。

求職活動関係役務利用費の支給額本人が負担した費用(保育等サービス利用費)80%
(1日あたりの支給上限額6,400円)
保育等サービス利用費の算出方法
ケース保育等サービス利用費
日払いの場合面接等、教育訓練を受けた日に要した利用費
月額の場合月額費用÷その月の暦日数×面接等や教育訓練を受けた日数
支給対象となる上限日数
ケース支給対象となる上限日数
求人者と面接等をした日15日
対象訓練を受講した日60日

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