給与から控除する社会保険料と計算方法
給与から控除する社会保険料
給与から控除する社会保険料は、健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料、雇用保険料の4種類になります。ただし、社会保険等の加入状況に応じ、控除する社会保険料は変わります。
給与から控除する社会保険料
1.社会保険加入者
- 健康保険料(子ども・子育て支援金含む)
- 介護保険料(40歳以上65歳未満の健康保険加入者の方)
- 厚生年金保険料
2.雇用保険加入者
- 雇用保険料
※労災保険の保険料については、原則事業主のみ負担となりますので、従業員の給与から控除はいたしません。
(加入別)給与から控除する社会保険料
| 給与から 控除する 社会保険 | 社会・雇用保険 未加入 | 雇用保険のみ加入 | 社会保険のみ加入 | 雇用保険・社会保険両方加入 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 右記以外 | 40~64歳 | 右記以外 | 40~64歳 | |||
| 主な対象者 | パート (週20時間未満) | パート (週20時間以上 30時間未満) | 役員など | 正社員 特定適用事業所の パート(週20時間以上) | ||
| 雇用保険 | - | 〇 | - | - | 〇 | 〇 |
| 健康保険 | - | - | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
| 介護保険 | - | - | - | 〇 | - | 〇 |
| 厚生年金保険 | - | - | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
社会保険および雇用保険の加入要件および加入方法については、社会保険の種類と加入要件のページをご覧ください。
社会保険料の計算方法
社会保険料(健康保険・介護保険・厚生年金保険)の計算方法
社会保険の保険料は、各従業員の標準報酬月額※に、健康保険・介護保険・厚生年金保険等の保険料率(被保険者負担分)を掛けて算出します。
| 社会保険の種類 | 計算式 | |
|---|---|---|
| 健康保険 | 健康保険料 | 標準報酬月額 × 健康保険料率(被保険者負担分) |
| 子ども・子育て支援金 | 標準報酬月額 × 子ども・子育て支援金(被保険者負担分) | |
| 介護保険料 | 標準報酬月額 × 介護保険料率(被保険者負担分) | |
| 厚生年金保険 | 標準報酬月額 × 厚生年金保険料率(被保険者負担分) | |
標準報酬月額とは?
標準報酬月額とは、社会保険料(健康保険・介護保険・厚生年金保険等)や社会保険の給付額を算出する際に利用する額のことで、以下の3つの方法により決定いたします。
標準報酬月額の決定方法
1.資格取得時決定
従業員が社会保険の被保険者資格を取得した際に行われる決定です。主に入社時などに行われます。
2.定時決定(算定基礎)
社会保険に加入している従業員の標準報酬月額が、実際の給与と大きくかけ離れないように、毎年1回標準報酬月額を見直し、現在の給与に見合った標準報酬月額に改定します。
この定時決定(算定基礎)は7月1日現在使用している全被保険者が対象になり、原則3か月間(4月、5月、6月)に支給された給与をもとに新たな標準報酬月額を決定します。
3.随時改訂(月額変更)
被保険者の給与(固定的賃金)が昇給等により大幅に変動し、一定の要件に該当した場合には、定時決定を待たずに標準報酬月額を改定します。この手続きのことを随時改定(月額変更)といいます。
具体的な標準報酬月額の求め方は、従業員の給与(報酬月額)を一定の額ごとに区分された等級に当てはめ、該当する等級の標準報酬月額が従業員の標準報酬月額となります。
雇用保険料の計算方法
雇用保険料は、各月の給与支給額に雇用保険料率(労働者負担分)を掛けて求めます。
| 社会保険の種類 | 計算式 |
|---|---|
| 雇用保険 | 給与支給額(総支給額) × 雇用保険料率(労働者負担分) |
社会保険料・雇用保険料の計算例
東京都内の事業所(協会けんぽ加入)に勤める45歳会社員、月額給与45万円(標準報酬月額44万円)の場合の、給与から控除する社会保険料は以下のようになります。
| 社会保険の種類 | 計算式 | 社会保険料 |
|---|---|---|
| 健康保険料 | 440,000円 × 4.925%(被保険者負担分)※1 | 21,670円 |
| 子ども・子育て支援金 | 440,000円 × 0.115%(被保険者負担分)※2 | 506円 |
| 介護保険料 | 440,000円 × 0.810%(被保険者負担分)※3 | 3,564円 |
| 厚生年金保険 | 440,000円 × 9.150%(被保険者負担分) | 40,260円 |
| 雇用保険 | 450,000円 × 5/1000(被保険者負担分)※4 | 2,250円 |
| 給与から控除する社会保険料 | 68,250円 | |
※1健康保険料率は、協会けんぽ(東京支部)令和8年分の保険料率になります。
※2子ども・子育て支援金率は、令和8年分の保険料率になります。
※3介護保険料率は、令和8年分の保険料率になります。
※4雇用保険料率は、一般の事業の令和8年分の保険料率になります。
社会保険(健康保険・介護保険・厚生年金保険)および雇用保険の保険料率については、社会保険と労働保険の保険料率のページをご覧ください。
社会保険料控除の注意点
1.社会保険料の徴収は月単位
社会保険料(健康保険・介護保険・厚生年金保険)は、雇用保険料とは異なり、月単位で計算します。したがって、月の途中や月末に社会保険に加入したとしても、1か月分の社会保険料が発生します。
| 社会保険加入日 | 社会保険加入月 | 社会保険料(初回分) |
|---|---|---|
| 4月1日 | 4月 | 4月分社会保険料 |
| 4月15日 | 4月 | 4月分社会保険料 |
| 4月30日 | 4月 | 4月分社会保険料 |
2.社会保険料は原則翌月徴収
社会保険料の「翌月徴収」とは、当月分の社会保険料を翌月の給与から天引きする方法のことで、給与から社会保険料を控除するときは、翌月徴収が原則となります。
| 社会保険加入日 | 社会保険加入月 | 社会保険料(初回分) | 控除(徴収) |
|---|---|---|---|
| 4月1日 | 4月 | 4月分社会保険料 | 5月分給与から控除 |
| 5月15日 | 5月 | 5月分社会保険料 | 6月分給与から控除 |
| 6月30日 | 6月 | 6月分社会保険料 | 7月分給与から控除 |
3.退職月の社会保険料
社会保険料は、「退職日の翌日が属する月の前月分まで」発生します。したがって、月途中で退職する場合は社会保険料は前月分までとなり、月末に退職する場合は当月分まで支払う必要があります。
| 退職日 | 資格喪失日 | 社会保険料(最終分) | 控除(徴収) |
|---|---|---|---|
| 3月24日 | 3月25日 | 2月分社会保険料 | 3月分給与まで控除 |
| 3月31日 | 4月1日 | 3月分社会保険料 | 4月分給与まで控除※ |
※給与の締め日・支払日によっては、翌月徴収ではなく、当月分の給与で2か月分(前月分と当月分)の社会保険料を控除する場合があります。
4.社会保険料の徴収開始・終了年齢
社会保険は制度ごとに加入年齢が決まっているため、社会保険料の支払いも資格喪失する年齢までとなります。各制度の社会保険料徴収開始・終了年齢は以下のとおりです。
| 社会保険の種類 | 社会保険開始脱退年齢 | 社会保険料(最終分) | 控除(徴収) |
|---|---|---|---|
| 厚生年金保険 | 70歳到達まで | 70歳の誕生日の前日が 属する月の前月分まで | 70歳到達月の給与まで控除 |
| 健康保険 | 75歳到達まで | 75歳の誕生日が 属する月の前月分まで | 75歳の誕生日月の給与まで控除 |
| 介護保険 | 40歳到達月から | 40歳の誕生日の前日が属する月 | 40歳到達月給与から控除 |
| 65歳到達まで | 65歳の誕生日の前日が 属する月の前月分まで | 65歳到達月の給与まで控除 |
5.社会保険料の免除期間
従業員の産休期間中や育児休業期間中は、従業員が申出を行うことにより、社会保険料が免除となります。社会保険料が免除となっている間は、当然のことながら給与から社会保険料を控除しません。
①産前産後休業期間中の社会保険料免除
産前産後休業期間中の社会保険料免除の期間は、産前産後休業開始月から終了日の翌日の属する月の前月(産前産後休業終了日が月の末日の場合は産前産後休業終了月)までとなります。
| 免除期間 | 給与から社会保険料を控除しない期間 |
|---|---|
| 産前産後休業 | 産前産後休業開始月の翌月の給与から終了日の翌日の属する月の給与まで |
②育児休業等期間中の社会保険料免除
育児休業等期間中の保険料免除の期間は、育児休業等を開始した日の属する月から育児休業等が終了日の翌日が属する月の前月までとなります。
| 免除期間 | 給与から社会保険料を控除しない期間 |
|---|---|
| 育時休業等 | 育児休業等開始月の翌月の給与から終了日の翌日の属する月の給与まで |
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