助成金の概要と受給要件

雇用関係助成金の概要

雇用関係助成金とは?

雇用関係助成金とは、雇用保険料を財源とした事業主支援金制度のことで、厚生労働省の雇用施策を実施するなど一定の要件を満たした事業主に対し支給されます。

雇用関係助成金の目的

雇用関係助成金は、厚生労働省の雇用施策に取り組む事業主を支援することを目的としており、厚生労働省の雇用施策には「失業の予防」「雇用状態の是正」「雇用機会の増大その他雇用の安定」「職業能力の開発や向上」「雇用環境整備」「仕事と家庭の両立」などがあります。

雇用関係助成金の特徴

1.返済不要

雇用関係助成金は、事業主が支払っている雇用保険料の一部が財源となっているため、返済は不要です。したがって、銀行の融資のように返済義務はありません。

2.使い道が自由

雇用関係助成金は、受給した事業主が自由に使うことができます。また、補助金などと違い、報告義務はありません。

3.要件を満たすと受給できる

雇用関係助成金は、一定の要件を満たし支給申請を行えば、どなたでも原則受給することができます。

助成金・補助金・融資の比較
助成金補助金融 資
返 済不要※不要※必要
利子も加算
条 件要件を満たすと
原則 受給
100%受給できる
とは限らない
業績や信用による
使用用途自由事業計画どおりに使用融資内容により
使用目的が限られる
報告義務なしありあり
税金対象対象対象

※不正受給の場合は、返済しなければいけません。

雇用関係助成金の種類

雇用関係助成金の種類は、厚生労働省の雇用施策に応じて現在13種類あり、さらに各助成金には目的や対象ごとに複数のコースが設けられています。

雇用関係助成金の種類
1.雇用調整助成金2.産業雇用安定助成金
3.早期再就職支援助成金4.特定求職者雇用開発助成金
5.トライアル雇用助成金6.地域雇用開発助成金
7.人材確保等支援助成金8.通年雇用助成金
9.65歳超雇用推進助成金10.キャリアアップ助成金
11.仕事と家庭の両立支援関係等の助成金12.人材開発関係の助成金
13.障害者雇用納付金制度の助成金廃止済みで経過措置中の助成金

各助成金の概要等については、「助成金の種類と概要」をご覧ください。

雇用関係助成金の受給要件

雇用関係助成金の受給要件(不支給要件)には、すべての助成金に対して共通する受給要件と各助成金(コース)ごとの受給要件があります。ここでは雇用関係助成金の共通の受給要件(不支給要件)について記載いたします。

雇用関係助成金 共通の受給要件

雇用関係助成金を受給するには、次1~4のいずれにも該当する必要があります。

受給対象事業主等の要件(共通要件)
  1. 雇用保険適用事業所の事業主であること
  2. 適正支給のための調査に必要な書類等を整備、保管している事業主等であること
    • 必要な書類とは、就業規則、労働契約書、労働者名簿、賃金台帳、出勤簿などのことを指します。
  3. 管轄労働局の実地調査に協力する等、審査及び調査に協力する事業主等であること
  4. 各助成金ごとに定める要件を満たす事業主であること

雇用関係助成金の不支給要件

雇用関係助成金は、次のいずれかに該当する場合支給されません。

雇用関係助成金の不支給要件(共通要件)
  1. 支給申請日又は支給決定日の時点で、偽りその他不正の行為により本来受けることのできない助成金の支給を受け、又は受けようとしたことにより、助成金の不支給措置が取られている事業主等
  2. 助成金の支給に係る事業所において、支給申請日の属する年度の前年度より前のいずれかの保険年度の労働保険料を納付していない事業主等
  3. 助成金の支給に係る事業所において、支給申請日の前日から起算して1年前の日から支給申請日の前日までの間に労働関係法令の違反を行った事業主等
    • 「労働関係法令の違反を行った」とは、捜査機関(警察)や労働局・労働基準監督署から送検された場合のことをいいます。
  4. 風俗営業等関係事業主等 ※一部例外あり
    • 「風俗営業等」とは、接待飲食等営業や性風俗関連特殊営業のことをいいます。
  5. 暴力団関係事業主等
  6. 破壊活動防止法第4条に規定する暴力主義的破壊活動を行った又は行う恐れがある団体等に属している事業主等
  7. 支給申請日又は支給決定日の時点で倒産している事業主等
    • ただし、再生手続開始の申立て、またはは更生手続開始の申立てを行った事業主であって、事業活動を継続する見込みがある者は除きます。
  8. 本支給要領に従うことについて、承諾していない事業主等
  9. 不正受給に関与したことにより助成金の不受理措置が取られている社会保険労務士又は代理人による申請を行った事業主等
  10. 支給申請書等に事実と異なる記載又は証明行った事業主等 など

雇用関係助成金 受給のポイント

雇用関係助成金を受給するうえで重要なポイントは以下の3点になります

1.労働社会保険諸法令の遵守

雇用関係助成金は、国から支給されるお金であるため、賃金を適正に支払わない事業主や社会保険に加入していない事業主には支給されません。したがって、常日頃から労働基準法や社会保険諸法令を遵守している必要があります。

2.適正な労務管理

雇用関係助成金は、適正に労務管理が行われている事業主に支払われます。したがって、常日頃から従業員の労働条件や勤怠、賃金などを管理していなければいけません。

なお、適性に労務管理が行われているかどうかは、雇用契約書(労働条件通知書)・賃金台帳・出勤簿(タイムカード)などでチェックされるため、常日頃からそれらの作成を行っている必要があります。

3.解雇や退職勧奨は行わない

雇用関係助成金の目的は「雇用の創出と維持」になります。したがって、従業員の解雇や退職勧奨を行った場合は、雇用関係助成金の趣旨に反することとなるため、ペナルティとして解雇等を行った日から6か月間は助成金の計画書の提出や支給申請をすることができません。

そのため、助成金の受給を考えている場合は、可能な限り解雇や退職勧奨は行わないようにしましょう。

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