外国人の雇用と在留資格
事業主の外国人雇用状況の届出義務
「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」にもとづき、外国人を雇用する事業主には、外国人労働者の雇入れや離職の際に、その氏名、在留資格などについて、ハローワークへ届け出ることが義務付けられています。
届出の対象となる外国人の範囲
日本の国籍を持たない方で、在留資格「外交」「公用」以外の方が届出の対象となります。
届出事項の確認・記載方法について
外国人雇用状況の届出に際しては、外国人労働者の在留カード、旅券(パスポート)または指定書などの提示を求め、届け出る事項を確認する必要があります。
なお、「留学」や「家族滞在」などの在留資格の外国人が資格外活動許可を受けて就労する場合は、在留カード、旅券(パスポート)または資格外活動許可書などにより、資格外活動許可を受けていることを確認してください。
届出事項 | 注意事項 |
---|---|
氏 名 | 日常生活で使用している通称名ではなく、必ず本名を記入してください。 |
在留資格 | 在留カードの「在留資格」または旅券(パスポート)上の上陸許可証印に記載されたとおりの内容を記入してください。 |
在留期間 | 在留カードの「在留期間」欄に記載された日付または旅券(パスポート)上の上陸許可証印に記載されたとおりの内容を記入してください。 |
生年月日 | 在留カードまたは旅券(パスポート)上の該当箇所を転記してください。 |
性別 | |
国籍・地域 | |
資格外活動許可または報酬活動許可の有無 | 資格外活動許可を受けて就労する外国人の場合は、在留カード裏面の「資格外活動許可欄」や資格外活動許可書または旅券(パスポート)上の資格外活動許可証印等で、資格外活動許可の有無、許可の期限、許可されている活動の内容をご確認ください。 |
在留カード番号 | 在留カードの右上に記載されている12桁(英字2桁-数字8桁-英字2桁)の番号を記入してください。 |
※在留カードとは、中長期在留者に対し、上陸許可や在留資格の変更、在留期間の更新などの在留に関する許可に伴って交付されるカードのことをいいます。
届出の方法について
外国人雇用状況の届出方法については、届出の対象となる外国人が雇用保険の被保険者となるか否かによって、使用する様式や届出先となるハローワーク、届出の提出期限が異なります。
雇用保険の被保険者となる外国人について届出る場合(雇入れ)
雇用保険の被保険者となる外国人を雇用した場合は、「雇用保険被保険者資格取得届(様式第2号)」に必要事項を記載し、事業所を管轄しているハローワークへ提出します。
届出書式 | 雇用保険被保険者資格取得届(様式第2号) |
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届出事項 | 上記、届出事項に加え、 雇入れにかかわる事業所の名称および所在地など資格取得届に記載が必要な事項 |
届出先 | 事業所を管轄するハローワーク(公共職業安定所) |
届出期限 | 雇い入れた日の翌月10日まで |
雇用保険の被保険者となる外国人について届出る場合(雇入れ)
雇用保険の被保険者である外国人が離職した場合は、「雇用保険被保険者資格喪失届(様式第4号)」に必要事項を記載し、事業所を管轄しているハローワークへ提出します。
届出書式 | 雇用保険被保険者資格喪失届(様式第4号) |
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届出事項 | 上記、届出事項に加え、 離職にかかわる事業所の名称および所在地など資格喪失届に記載が必要な事項 |
届出先 | 事業所を管轄するハローワーク(公共職業安定所) |
届出期限 | 退職した日の翌々日から10日以内 |
雇用保険の被保険者とならない外国人について届出る場合(雇入れ・離職時)
雇用保険の被保険者とならない外国人を雇用(または離職)した場合は、「外国人雇用状況届出書(様式第3号)」に必要事項を記載し、事業所を管轄しているハローワークへ提出します。
届出書式 | 外国人雇用状況届出書(様式第3号) |
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届出事項 | 上記、届出事項に加え、 雇入れまたは離職にかかわる事業所の名称および所在地など届出書に記載が必要な事項 |
届出先 | 当該外国人が勤務する事業所施設の所在地を管轄するハローワーク(公共職業安定所) |
届出期限 | 雇入れ、離職の場合ともに翌月の末日まで |
なお、雇用保険の被保険者とならない外国人の「外国人雇用状況届出書(様式第3号)」は、ハローワークインターネットサービスの「外国人雇用状況届出システム」を利用することにより、いつでも登録することができます。
在留資格一覧表
定められた範囲での就労が認められている在留資格(就労ビザ)
以下の各在留資格は定められた範囲で報酬を受ける活動が可能です。
在留資格 | 活動範囲 | 在留期間 | 該当例 |
---|---|---|---|
教 授 | 大学などの機関における研究、研究指導、または教育に関する活動 | 5年、3年、1年、3か月 | 大学教授 等 |
芸 術 | 音楽、美術、文学、その他芸術上の活動(この表の興行の項に掲げる活動を除く) | 5年、3年、1年、3か月 | 作曲家、画家、著述家 等 |
宗 教 | 外国の宗教団体から派遣された宗教家の行う布教、その他宗教上の活動 | 5年、3年、1年、3か月 | 外国の宗教団体から派遣される宣教師 等 |
報 道 | 外国の報道機関が行う取材、その他報道上の活動 | 5年、3年、1年、3か月 | 外国の報道機関の記者、カメラマン |
高度専門職 1号・2号 | 「高度学術研究活動」、「高度専門・技術活動」、「高度経営・管理活動」の3つの活動 | (1号)5年 (2号)無期限 | ポイント制による高度人材 |
経営・管理 | 日本国内における事業の経営または事業の管理に従事する活動 | 5年、3年、1年、6か月、4か月、3か月 | 企業等の経営者・管理者 |
法律・会計業務 | 法律上資格を有する者が行うこととされている法律または会計にかかわる業務に従事する活動 | 5年、3年、1年、3か月 | 弁護士、公認会計士、税理士 等 |
医 療 | 法律上資格を有する者が行うこととされている医療にかかわる業務に従事する活動 | 5年、3年、1年、3か月 | 医師、歯科医師、看護師 等 |
研 究 | 日本の公私の機関で研究業務に従事する活動(この表の教授の項に掲げる活動を除く) | 5年、3年、1年、3か月 | 政府関係機関や私企業等の研究者 |
教 育 | 日本の小学校、中学校、高等学校等の教育機関における語学教育、その他の教育を行う活動 | 5年、3年、1年、3か月 | 中学校・高等学校等の語学教師 等 |
技 術・ 人文知識・ 国際業務 | 理学,工学その他の自然科学の分野若しくは法律学,経済学,社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動 | 5年、3年、1年、3か月 | 機械工学等の技術者、通訳、デザイナー、私企業の語学教師、マーケティング従事者 等 |
企業内転勤 | 外国の事業所から、日本にある支店・本店に期間を定めて転勤してきた者が従事する活動(業務の範囲は、この表の技術・人文知識・国際業務の項に掲げる活動) | 5年、3年、1年、3か月 | 外国の事業所からの転勤者 |
介 護 | 介護福祉士の資格を有する者が介護または介護の指導を行う業務に従事する活動 | 5年、3年、1年、3か月 | 介護福祉士 |
興 行 | 演劇、演芸、演奏、スポーツ等の興行いかかわる活動またはその他の芸能活動 | 3年、1年、6か月、3か月、15日 | 俳優、歌手、ダンサー、プロスポーツ選手 等 |
技 能 | 産業上の特殊な分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する活動 | 5年、3年、1年、3か月 | 外国料理の調理師、スポーツ指導者、航空機の操縦者、貴金属等の加工職人 等 |
特定技能 1号・2号 | 1号:特定産業分野(12分野)に属する相当程度の知識又は経験の必要な業務に従事する活動 2号:熟練した技能が必要な業務 (11分野)に従事する活動 | 1号:法務大臣が個々に指定する期間(1年を超えない範囲) 2号:3年、1年または6か月、 | 特定産業分野の各業務従事者 |
就労に制限のない在留資格:身分または地位に基づく在留資格(居住資格)
以下の在留資格は在留中の活動に制限がないため、様々な分野で報酬を受ける活動が可能です。
在留資格 | 活動範囲 | 在留期間 | 該当例 |
---|---|---|---|
永住者 | 在留中の活動に制限はなし | 無期限 | 法務大臣が永住を認める者(特別永住者を除く) |
日本人の配偶者 等 | 5年、3年、1年、6か月 | 日本人の配偶者・実子・特別養子 | |
永住者の配偶者 等 | 5年、3年、1年、6か月 | 永住者・特別永住者の配偶者および日本で出生し引き続き在留している実子 | |
定住者 | 5年、3年、1年、6か月、または法務大臣が個々に指定する期間 | 法務大臣が特別な理由を考慮し、一定の在留期間を指定し居住を認める者(第三国定住難民、日系3世、中国残留孤児 等) |
就労活動が認められていない在留資格
以下の在留資格は就労が認められていないため、報酬を得る活動はできません。ただし、「留学」と「家族滞在」については、資格外活動許可を受けることにより、アルバイトなどの就労(週28時間以内)が認められます。
なお、資格外活動許可については、在留資格にかかわる本人が、住居地を管轄する地方出入国在留管理官署に申請をすることにより行います。
在留資格 | 活動範囲 | 在留期間 | 該当例 |
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文化活動 | 収入を伴わない学術・芸術上の活動、または日本特有の文化・技芸について専門的な研究や指導を受ける活動 | 3年、1年、6か月、3か月 | 日本文化の研究者等 |
短期滞在 | 日本に短期間滞在して行う観光、保養、スポ―ツ、親族の訪問、見学、講習への参加、業務、連絡などの活動 | 90日、30、15日以内 | 観光客,会議参加者等 |
研 修 | 日本の公私の機関により受け入れられて行う技能等の修得をする活動 | 1年、6か月、3か月 | 研修生 |
留 学 | 日本の大学、高等専門学校、高等学校などで教育を受ける活動 | 法務大臣が個々に指定する期間(4年3月を超えない範囲) | 大学、短期大学、高等専門学校、高等学校、中学校及び小学校等の学生・生徒 |
家族滞在 | 教授、芸術、宗教、報道、高度専門職、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、介護、興行、技能、特定技能2号、文化活動、留学の在留資格をもって在留する者の扶養を受ける配偶者又は子として行う日常的な活動 | 法務大臣が個々に指定する期間(5年を超えない範囲) | 在留外国人が扶養する配偶者・子 |
その他の在留資格
上記以外の在留資格で、それぞれに定められた要件を満たすことにより、日本国内での報酬を得る活動が許可されます。
なお、「技能実習」については、技能実習制度が廃止され、新たに育成就労制度が創設されたことにより、「育成就労」へと変更となります。改正法の施行は、成立後3年以内に施行されることとされており、2027年の施行となると思われます。
また、施行後は、激変緩和措置として3年間の移行期間が設けられることとされており、概ね2030年までは、技能実習制度と育成就労制度が併存(技能実習生と育成就労外国人が混在)することとなります。
在留資格 | 在留資格の概要 | 在留期間 | 該当例 |
---|---|---|---|
技能実習 | 研修・技能実習制度は、日本で開発され培われた技能・技術・知識の開発途上国等への移転等を目的として創設されたもので、研修生・技能実習生の法的保護およびその法定地位の安定化を図るため、改正入管法により新設された在留資格です。 | 法務大臣が個々に指定する期間(1号:1年を超えない範囲、2号および3号:2年を超えない範囲) | 農業、漁業、建設、食品製造、繊維・衣服、機械・金属、その他に関連する業務 |
特定活動 | 「特定活動」の在留資格で日本に在留する外国人は、個々の許可の内容により報酬を受ける活動の可否が決定します。 | 5年、3年、1年、6か月、3か月または法務大臣が指定する期間(5年を超えない範囲) | EPAに基づく外国人看護師・介護福祉士候補者、ワーキングホリデーなど |
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