労災が第三者によって
生じたときの手続き
【第三者行為災害届】
- 0.1. 手続き概要
- 0.1.1. 第三者行為災害とは?
- 0.1.2. 第三者行為災害の考え方
- 0.1.3. 「労災保険の給付」と「第三者の損害賠償」の支給調整
- 0.1.4. 第三者行為災害届
- 0.2. 労災保険と損害賠償の調整方法
- 0.2.1. 被災者等が先に労災保険の給付を受けた場合(求償)
- 0.2.2. 被災者等に先に損害賠償が支払われた場合(控除)
- 0.3. 注意事項
- 0.3.1. 自動車事故の場合
- 0.3.2. 示談をする場合
- 0.4. 提出書類と提出先
- 0.4.1. 被災者が提出する書類
- 0.4.2. 第三者が提出する書類
- 0.5. お問い合わせ
- 0.5.1. 第三者行為災害届に関するお問い合わせ先
- 0.6. 関連手続き
- 0.6.1. 従業員が労災で病院に掛かる場合
- 0.6.2. 従業員が労災で4日以上仕事を休んだ場合
- 0.6.3. 従業員が業務上の傷病で休業または死亡した場合
- 0.7. 手続き料金
手続き概要
第三者行為災害とは?
第三者行為災害とは、労災保険給付の原因である災害が第三者の行為などによって生じたもので、その第三者が労災保険の受給権者である被災労働者または遺族(以下「被災者等」といいます。)に対して、損害賠償の義務を有しているものをいいます。
第三者行為災害の考え方
被災者等が第三者行為災害に該当した場合には、第三者に対し損害賠償請求権を取得すると同時に、労災保険に対しても給付請求権を取得することになります。
この場合、被災者等が同一の事由について両者から損害のてん補を受けることになれば、被災者等に対し実際の損害額より多くの金額が支払われることになってしまいます。
また、第三者行為災害の場合、被災者等への損害のてん補は、労災保険によってではなく、災害の原因となった第三者が最終的には負担すべきものであるとされています。
「労災保険の給付」と「第三者の損害賠償」の支給調整
以上のような考えから、労災保険法では「労災保険の給付」と「第三者の損害賠償」に関して、以下のような取り決めをしています。
- 先に政府が労災保険の給付をしたときは、政府は、被災者等が第三者に対して有する損害賠償請求権を労災保険給付の価額の限度で取得する
- 被災者等が第三者から先に損害賠償を受けたときは、政府は、その価額の限度で労災保険給付をしないことができる
第三者行為災害届
上記でお伝えした第三者行為災害における「労災保険の給付」と「第三者の損害賠償」の支給調整を、労働基準監督署が円滑に行えるようにするための書類が「第三者行為災害届」になります。
第三者行為災害が起きた場合は、労災保険給付に関する請求書と同時、またはそれより先に、事業所を管轄する労働基準監督署に提出します。
労災保険と損害賠償の調整方法
被災者等が先に労災保険の給付を受けた場合(求償)
政府が労災保険給付と引き換えに、被災者等から損害賠償請求権を取得し、第三者(交通事故の場合は保険会社など)に対し損害賠償を請求します。

被災者等に先に損害賠償が支払われた場合(控除)
第三者の損害賠償(自動車事故の場合は自賠責保険などの支払い)が被災者等に対し労災保険給付より先に行われていた場合、政府はその価額の限度で労災保険給付をしないことになっています。

注意事項
自動車事故の場合
労災保険給付と自賠責保険等(自動車損害賠償責任保険または自動車損害賠償責任共済)による保険金支払いのどちらか一方を先に受けてください。どちらを先に受けるかについては、被災者等が自由に選べます。その後、政府による【求償】または【控除】が行われます。
示談をする場合
被災者等と第三者との間で、被災者等が受け取る全ての損害賠償についての示談(いわゆる全部示談)が、真正に(錯誤や強迫などではなく両当事者の真意によること)成立し、被災者等が示談内容以外の損害賠償の請求権を放棄した場合、政府は原則として示談成立以後の労災保険給付を行わないこととなっています。
したがって、示談を行ったときは、速やかに労働局又は労働基準監督署に申し出るようにしてください。その際には、示談書の写しが求められますで、それまでに示談書をご準備ください。
提出書類と提出先
被災者が提出する書類
第三者行為災害があった場合は、事業所を管轄する労働基準監督署に「第三者行為災害届」を提出しなければいけません。
| 項 目 | 内 容 |
|---|---|
| 提出書類 | 第三者行為災害届 【添付書類】 以下の「第三者行為災害届に添付する書類」にてご確認ください。 |
| 提出先 | 事業所を管轄する労働基準監督署 |
| 提出期限 | 労災保険の給付に係る請求書と同時または請求後速やかに提出してください。 |
| 補足事項 | 特にありません |
第三者行為災害届に添付する書類
| 書類名 | 交通事故 | 交通事故以外 | 備 考 |
|---|---|---|---|
| 念書(兼同意書) | 〇 | 〇 | - |
| 交通事故証明書(原本) または交通事故発生届 | 〇 | - | 自動車安全運転センターにて交付を受けたもの |
| 示談書の謄本 | 〇 | 〇 | 示談が行われた場合(写し可) |
| 自賠責保険等の損害賠償金等支払証明書 または保険金支払通知書 | 〇 | - | 仮渡金または賠償金を受けている場合(写し可) |
| 死体検案書 または死亡診断書 | 〇 | 〇 | 死亡の場合(写し可) |
| 戸籍謄本 | 〇 | 〇 | 死亡の場合(写し可) |
第三者が提出する書類
労災保険給付の原因となった災害を発生させた第三者は、「第三者行為災害報告書」を提出するよう労働基準監督署から求められますので、必要事項をご記入のうえご提出ください。
| 項 目 | 内 容 |
|---|---|
| 提出書類 | 第三者行為災害報告書 |
| 提出先 | 被災労働者が勤務する事業所を管轄する労働基準監督署 |
| 提出期限 | 速やかに提出してください。 |
| 補足事項 | 特にありません |
お問い合わせ
第三者行為災害届に関するお問い合わせ先
| お問い合わせ内容 | お問い合わせ先 |
|---|---|
| 第三者行為災害届の請求に関すること | 事業所を管轄する労働基準監督署 |
関連手続き
従業員が労災で病院に掛かる場合
従業員が【労災指定病院等】で治療を受けた場合 ⇒ 療養の給付請求
従業員が【労災指定病院以外】で治療を受けた場合 ⇒ 療養の費用請求
従業員が労災で4日以上仕事を休んだ場合
給与を受けていない場合は、労災保険から休業(補償)給付として1日につき給付基礎日額(※)の80%が支給されます。この支給を受けるためには労働基準監督署へ休業(補償)給付の請求をする必要があります。 ⇒ 休業(補償)給付の請求
※(給付基礎日額)原因となった事故直前の3か月分の賃金を暦日数で割った額
従業員が業務上の傷病で休業または死亡した場合
「労働者死傷病報告書」を用い、労働基準監督署へその旨を報告しなければいけません。 ⇒ 労働者死傷病報告
手続き料金
当事務所で第三者行為災害届の手続きと関連手続きを行った場合の料金になります。
| 手続き名 | 料 金 | |
|---|---|---|
| 第三者行為災害届 | \22,000 | |
| 療養(補償)給付たる 療養の給付請求 | \5,500 | |
| 療養(補償)給付たる 療養の費用請求 | \5,500 ~ | |
| 休業(補償)給付 支給請求 | (初回) \11,000 | (2回目以降) \5,500 |
| 労働者死傷病報告 | \5,500 | |
| 療養の給付を受ける 指定病院等変更 | \2,750 | |
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