定年退職した従業員を再雇用したときの手続き

【社会保険の同日得喪】

手続き概要

社会保険の同日得喪とは?

社会保険の被保険者である60歳以上の従業員を、退職後1日も空けることなく同じ事業所に再雇用したときは、いったん雇用関係が中断したものとして取り扱い、同日付けで被保険者の資格喪失と資格取得を行います。この手続きのことを社会保険の同日得喪といいます。

この同日得喪が行われた場合、再雇用後の給与額をもとに新たな標準報酬月額を決定し、再雇用月から社会保険料が変更となります。また、新たな健康保険被保険者証が発行されますので、これまで従業員が使用していた健康保険被保険者証は返却してもらうことになります。

なお、退職後数日休んでから再雇用する場合など、1日でも間が空いたときは同日得喪の取り扱いはできませんので、ご注意ください。

手続き方法

社会保険の同日得喪の要件に該当したときは、「被保険者資格喪失届」と「被保険者資格取得届」を作成し、添付書類(「退職日の確認できる書面」と「継続して再雇用されたことがわかる書面」)と併せて、事業所を管轄する年金事務所(健康保険組合)に提出します。

また、その被保険者に被扶養者がいる場合は、被扶養者異動手続きも併せて行います。

同日得喪による影響

同日得喪により標準報酬月額が変更になった場合

① 厚生年金保険料と健康保険料が変更になります。
② 60歳以上の年金受給者における在職老齢年金の計算をし直します。
③ 60歳から65歳までの高年齢雇用継続給付が調整されます。
④ 傷病手当金を受給中の方は、支給額が低下する場合があります。

提出書類と提出先

社会保険の同日得喪手続きは、事業所を管轄する年金事務所(健康保険組合)に「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格喪失届」と「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届」を提出することにより行います。

提出先提出書類
年金事務所
(健康保険組合)
健康保険・厚生年金保険 被保険者資格喪失届
健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届

【添付書類】①と②の両方、または③
 ①就業規則、退職辞令の写し(退職日の確認できるもの)
 ②雇用契約書の写し(継続して再雇用されたことがわかるもの)
 ③「退職日」および「再雇用された日」に関する事業主の証明
 ※健康保険被保険者証、高齢受給者証等
※被保険者証を紛失した場合
健康保険 被保険者証回収不能(滅失)届
※被扶養者(被扶養配偶者)がいる場合
健康保険 被扶養者(異動)届(国民年金 第3号被保険者関係届)

関連手続き

従業員が60歳になったとき

雇用保険の被保険者が60歳になったときは、高年齢雇用継続給付の支給申請のために、ハローワークで60歳到達時の賃金登録を行います。  ⇒ 六十歳到達時賃金月額証明書の提出

従業員の給与が60歳時点より低下する場合

雇用保険の被保険者が60歳時点に比べ給与が低下し、一定の要件に該当した場合に、雇用保険から高年齢雇用継続給付が支給されます。  ⇒ 高年齢雇用継続給付支給申請

従業員が老齢年金の受給権を得た場合

社会保険の被保険者が老齢年金の受給権を得た場合は、被保険者ご本人が最寄りの年金事務所で裁定請求手続きを行う必要があります。どうしても年金事務所に出向くことが難しい方については、当事務所で老齢年金の裁定請求を代行致します。 ⇒ 老齢年金裁定請求

手続き料金

当事務所で同日得喪手続きと関連手続きを行う場合の料金になります。

手続き名料 金
従業員再雇用手続き
(同日得喪)
\11,000
被保険者六十歳到達時
等賃金証明
\11,000
高年齢雇用継続給付
支給申請
(初回)
\22,000
(2回目以降)
\11,000
老齢年金裁定請求\33,000~

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